知るという事 (その三)


十日ぶりの文章になります。

前回に引続き「知るという事」について触れてゆきましょう。

知るという事は新しい発見であると同時に新しい喜びと感動です。どんな小さなことでもその中に新しいものを見つけまた感動ができます。外からの情報を受取り それをどのように感じるか或いは考えるかという作業は自分の内側にて行われることですので自分の考え方感じ方で昨日と同じ世界が別の見え方をするのです。そして別の展開を始めるのです。

さて小さな発見の中で素晴らしい言葉を見つけました。マザーテレサの言葉ですが

「思考に気を付けなさい 何故ならそれはいつかあなたの言葉になるから」

「言葉に気を付けなさい 何故ならそれはいつかあなたの行動になるから」

「行動に気を付けなさい 何故ならそれはいつかあなたの習慣になるから」

「習慣に気を付けなさい 何故ならそれはいつかあなたの性格になるから」

「性格に気を付けなさい 何故ならそれはいつかあなたの運命になるから」



素晴らしい言葉です。自分を見つめる指針になるものですので頭にそして心に刻んでおきたいものです。

仏教でいう『身口意』の三業について述べているわけですがマザーテレサは「心」→「言」→「行」の順番に並べております。面白いのは三業が習慣化され性格になりその人の運命をかたち作るという事です。

今日は知るという事に三回目ですがマザーテレサの言葉を知ることによって仏教の身口意の三業を改めて見つめることができました。

毎日起床し食事をして仕事日常生活を行い(身) 周りの人と言葉(口)を交わし・喜怒哀楽(心)の中に生きる。そしてより良き方向へと進む(習慣と運命)という意味なのです。少なくとも今 私はそのように感じています。



雪も愈々融け方が早くなり春が近づいていることを実感します。氷柱の先からポトポトと落ちる雫の間隔が短くなり陽の光に照らされキラキラと水滴が輝くようになるとフキノトウが雪をかき分け 土から顔を出しそうな感じがします。雪解けがすすむ今の時期は空気も穏やかになり何かが始まりそうな希望に満ちた感覚があり素晴らしい季節です。

今日はマザーテレサの言葉の中から仏様の言われる「身口意の三業」について紹介させていただきました。







令和五年三月十四日(火) 上の畑観音 別当 薬師寺住職 渡辺隆良


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