『フランスからの客人』


一昨日フランスの方が薬師寺を尋ねてきました。近くにフランス語の堪能な方がいらっしゃるので、折角なので早々に通訳を兼ね親交を結んでいただこうと思い連絡させていただきました。このような時に限り先方も先客があるという事で体よく断られてしまいました、仕方なくお粗末な英語とボディーランゲージで対応させていただきましたが、これが意外と楽しいので寺境内を案内し、茶の間で約一時間の会話を楽しむことができました。カゾーとセリーヌという名の二人でしたがピレネー山脈の麓でスペインとフランスの国境の村から来たそうです。私の耳には余りなじみのない「イラザン」という名の村のようですが有名なルルドの泉までは直線距離で約百キロという事でした。

二人は茅葺の家を探している様でしたが、今は中々見つからないとのことでした。銀山温泉も数年前までは茅葺の家がありましたが今はありません。二人は昔ながらの里山近くの日本の原風景を探して歩いているのでしょう。一年ほど日本を旅しているそうですが薬師寺を尋ねてきた時はレンタカーを借りてテント暮らしをしていると云う事でした。日本人の感覚からは想像できないのですが九州 関西 関東 東北というように車に乗ったり 頭よりも高くなった荷物を背負い長い距離を歩いたり自由な旅を楽しんだりしている様子でした。何れにしても三十前後の若い二人連れの方々で誠実な感じの旅行者には親切にしてあげたくなるような雰囲気を持った爽やかな二人でした。二人の故郷はここ尾花沢銀山と同じく平らな緑地とピレネー山脈に連なる道があり登山客もいるらしく丁度アルプスの少女ハイジに登場してくるような美しい高原の村という感じです。

 今の時代はスマホがあり何ヶ国語も使える自動翻訳アプリが登場し外国語を学ぶよりアプリの使い方を学ぶ方が時間も親交もスムーズにでき会話を楽しむことができます。この頃では

チャットGPTなるモノが話題となりテレビでも良く取り上げられております。使い方はまだ分かりませんが便利な道具が登場したものだと感心してしまいます。何れにしても道具は使う為にあるものですから 使われることなく上手に使ってゆきたいと思います。

今日も先ほど秋田県仁賀保市からの巡礼客が来ました。知合いのお寺様が仁賀保に居るのでその方の名前を言いましたら同級生だとのこと。世間は広いようで狭いものですね。逆にまた狭いようで、広いものですね。今日はここまで。



令和五年六月二十一日                午後


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