お盆のおはなし(ぜひ、お子さんに聴かせてあげてくださいませ)


お盆とは:どこから来たの?

◇お盆はもともと「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言う仏教行事です
 
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」では、お盆に先祖供養(せんぞくよう)を行うことで親孝行になるとされます。ちなみにお盆は「盂蘭盆(うらぼん)」を略した言葉です。
 
また盂蘭盆会(うらぼんえ)は、「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」という仏教に伝わるお話が由来です。
 
それではお盆がどのようにして親孝行行事になったのか、「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」のお話をご紹介させていただきます。


お盆とは:由来

◇盂蘭盆経(うらぼんきょう)によると、お盆はその昔、お釈迦さまの弟子が亡くなられた母親を救う話から由来しています
 
お釈迦様の弟子は「目連尊者(もくれんそんじゃ)」です。目連尊者(もくれんそんじゃ)の母親は、あの世で餓鬼道(がきどう)に落ちてしまいました。

●「餓鬼道(がきどう)」とは、あの世の道のひとつです

餓鬼道(がきどう)の世界は、常に飢えと渇きに苦しむ世界とされており、ここに落ちた者は、常に飲食することができません。
それではなぜ、目連尊者(もくれんそんじゃ)の母親は餓鬼道(がきどう)に落ちてしまったのでしょうか。


目連尊者(もくれんそんじゃ)の母親はなぜ餓鬼道(がきどう)に落ちたの?

◇目連尊者(もくれんそんじゃ)の母親は我が子を愛するあまり、周囲の目に無関心でした
 
我が子を養うのに十分な水があったにも関わらず、通り過ぎる人々が水を乞うても、我が子に与える水が少なくなることを恐れ、分け与えることがなかったのです。

●餓鬼道に落ちた母親は逆さに吊されます

食べ物も飲み物でさえ、全て火に変わってしまう餓鬼道(がきどう)のなかで、常に飢えや渇きにより苦しんでいました。


目連尊者(もくれんそんじゃ)は母親のために何をしたの?
生前の優しい母親を想い、目連尊者(もくれんそんじゃ)は「苦しんでいる母親を、どうにかして助けたい!」とお釈迦さまに相談します。そこでお釈迦様はこう答えました。
 
「夏の修行を終えた7月15日、僧侶を招き御供物を捧げ供養しなさい。」
 
目連尊者(もくれんそんじゃ)が実際にそのように供養したところ、母親は極楽往生(ごくらくおうじょう)を遂げました。


お盆とは:言葉の由来は?

◇お盆の語源となる「盂蘭盆(うらぼん)」は、「逆さまに吊られる苦しみ」という少し怖い意味があります。
 
インド発祥の仏教でお盆の語源となる「盂蘭盆(うらぼん)」は、サンスクリット語で「ウランバナァ」です。この「ウランバナァ」は「逆さまに吊る」を意味します。
 
餓鬼道(がきどう)に落ちた目連尊者(もくれんそんじゃ)の母親は、逆さまに吊られていました。
 
この目連尊者(もくれんそんじゃ)が母親を餓鬼道(がきどう)から救い出したお話が、親孝行の物語として「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」となりました。


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